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2024.01.26

【イベントレポ】那須で「奥会津クラフトマルシェ」が開催されました

2023年12月9日(土)・10日(日)の2日間、栃木県那須塩原市の那須ガーデンアウトレットを会場に、奥会津の手工芸品が集まる「奥会津クラフトマルシェ in 那須」が開催されました。今回は、マルシェ1日目の様子をレポートします。

 

■会場の様子

会場は、那須ガーデンアウトレットのほぼ中央に位置する「あおぞら池広場」。天候にも恵まれ、たくさんのお客さまが足を止めて興味深そうに各ブースをのぞいていました。

 

 

■アンケート回答者に奥会津カレンダーを進呈

会場では、奥会津に関するアンケート調査を実施。ご回答いただいた方に、「奥会津・只見線 歳時記カレンダー2024」を進呈しました。ご協力いただいた皆さま、ありがとうございました。

 

 

■出店者のご紹介

 

▼会津桐細工: 木工房MEGURO(柳津町)

三島町で生まれ育ち、大学卒業後は岐阜県で木工を学んだ目黒照枝さん。結婚を機に柳津町に転居し、会津桐を使ったおもちゃや日用品などを作る工房を立ち上げました。良質なブランド桐として市場で認知されている会津桐は、やさしい風合いや手ざわり、美しい木目が特徴。そんな会津桐の良さを生かして製作したやわらかい曲線のガラガラや積み木は、「子どもたちに使わせたい」と買い求める親や祖父母世代が多いのだそう。今回のマルシェでは、まな板や赤べこパズルのほか、2022年に全線再開通を果たした只見線の列車のおもちゃなども販売しました。

 

▼木工アクセサリー: 工房あかるむ(三島町)

ケヤキやブナ、槐(えんじゅ)、桜、栃といったさまざまな樹種で、木目を魅せるものづくりに取り組む「工房あかるむ」。地域おこし協力隊として会津桐タンスをつくる企業で働いたことをきっかけに木工の魅力に目覚め、「木を身近に感じてほしい!」との思いからアクセサリーなど身に付けられるものを中心に作り始めました。現在は、木の色や木目の違いが美しい寄せ木細工を取り入れたイヤリングやブローチのほか、ネクタイピン、コースター、一輪挿し、フォトフレームなど、幅広い商品を製作しています。

 

▼編み組細工: こしゃえる(三島町)

母が編み組細工を学んで作り上げたバッグを見て、「自分も作ってみたい!」と一念発起。三島町の地域おこし協力隊となって編み組細工の技術習得に励み、3年ほど前に独立を果たした若手編み組作家です。ひとつひとつ手作業で作るからこそ出る味わいが編み組細工のおすすめポイント。さまざまな材料を使用しますが、中でもヤマブドウを使ったものづくりが特に好きで、バッグ・財布・ネックレスのほか、時には通常の25分の1という手のひらサイズのヤマブドウバッグを作ってしまうほど、ヤマブドウの魅力探究に余念がありません。

 

▼編み組細工: そうら(三島町)

自ら野山に分け入って採取したヤマブドウやクルミ、ヒロロなどの素材を使い、アクセサリーやバッグなどの雑貨を製作・販売している「そうら」。冬の手仕事として奥会津で受け継がれてきた「奥会津編み組細工」の技術の基礎を、三島町の生活工芸館で開かれたアカデミーで学び、現在も技術を磨き続けています。近年はアカデミーを通じて知り合った手仕事仲間とともに出店することもあり、今回のクラフトマルシェでも編み組細工のほか、自然の素材を活かしたクリスマスのリースなども販売しました。

 

▼草木染: ぶないろくらぶ(只見町)

2014年に発足した「ぶないろくらぶ」は、本多一恵さん・鈴木サナエさん・酒井勝子さんの仲良し3人による草木染愛好会。同年に只見町がユネスコエコパークに登録されたことをきっかけに、只見のブナの葉で草木染めを始めました。現在は、桜・ハス・藍・ヨモギ・ワラビなど、さまざまな材料を染料として使用しており、ストール・トートバッグ・巾着袋など多彩な商品が並びます。中でも「絹のアームカバー」は、軽くて程良い圧着が心地良いと好評で、夏は日よけ、冬は防寒にと活躍してくれる一押し商品です。

 

▼からむし織: 畑からそだてた布(昭和村)

国の伝統的工芸品に指定されている「奥会津昭和からむし織」。その原料となる植物「からむし」の栽培から糸づくりや織りまで、からむし織の一連の製作工程を学ぶ体験生として、長崎県出身の齊藤加津代さんは2001年に昭和村にやって来ました。現在もからむしを栽培しており、糸づくり・染色・織りなどのすべてを自分で手がけたからむし雑貨を販売しています。今回のマルシェでは、からむしの中でも光沢のある良質な繊維を使ったお正月飾りとスマッジスティック(香木にからむしの繊維などを巻きつけた浄化アイテム)を販売しました。

 

▼曲げわっぱ: 尾瀬檜枝岐浪漫紀行(檜枝岐村)

神奈川県出身の城健史さんは、「尾瀬檜枝岐紀行」という屋号で尾瀬のガイドをしながら、冬は檜枝岐村の伝統工芸品である「曲げわっぱ」を製作しています。曲げわっぱと言えば丸や楕円形のものを思い浮かべる方が多いと思いますが、城さんは三角形の曲げわっぱも製作。小さいものは三角おにぎりがちょうど1個入るサイズなので、おにぎりケースとして使う方もいるそうです。赤やグリーン、ブラックなどのカラーバリエーションのほか、白米おにぎりを彷彿とさせる白木バージョンや、焼きおにぎりに似た漆塗りバージョンもあります。

 

 

■お客さまの声

商品を購入されたお客さまに、購入の決め手や感想をお聞きしました。

 

▶木工房MEGUROの「会津桐のまな板」を購入された方

「以前から木工房MEGUROさんのInstagramを時々見ていて、会津桐のまな板がずっと欲しいなと思っていたら那須のマルシェに出店するという情報を知り、近所だったので駆けつけました。自然の素材で一品一品手作りしているところがいいなと思って。キッチンで使うのが楽しみです。」

 

▶工房あかるむの「コースター」を購入された方

「マルシェを開催しているとは知らずにお店の前を通りかかったら、夫がコースターを見つけて『あれ良いんじゃない?』と教えてくれました。以前から自宅用のコースターをあちこち探していたんですけど、木でできたやさしい風合いやデザインがいいなと思って購入しました。」

 

▶畑からそだてた布の「お正月飾り」を購入された方

「からむし織=伝統のものというイメージがありましたが、からむしをすごくおしゃれにかわいくアレンジしていたので、衝動買いしました(笑)。作家さんにお話を聞いたらいろいろなこだわりが詰まっていて、ますます素敵だなと思いました。」

※「奥会津クラフトマルシェ in 那須」は、電源立地地域対策交付金により実施されています。